世界のエモを探していた2019年
エモいなんて若者言葉も
すっかり死語となったわけですが、個人的にエモという高潔な概念がそのあたりの低次元な流行語と同等に扱われ、青くかびたパンのように言葉の墓場へと葬り去られたことに落胆を隠しきれません。世界にエモが溢れていた2019年を振り返りました。
鶴見川のほとり(横浜市鶴見区)
初夏の始まりを確信させるように日光が照りつける暑い日でした。中間試験の最終日で、校内でTwitterエンカ大会が催されていることに薄々勘付きながらも、逃げるようにして自宅まで徒歩で帰り続けたことを記憶しています。
シーロム通り(タイ・バンコク)
グローバルに波及したエモさ。
バンコク、なかなか面白い土地でした。路上には雑然と屋台が並んでおり、夕方なんかは交通事情が混迷を極める一方で、BTS*3の駅構内はJRやメトロよりも綺麗に整備されています。developingとdevelopedが混在した地域なのだな、と感想を抱くと同時に、新興国に対する妙な脅威を憶えた印象が強くあります。
多摩川(神奈川県川崎市)
東日本を中心に甚大な被害を及ぼした台風19号の翌日、氾濫寸前だった多摩川で凧揚げをした際の写真です。
国道409号に隣接する多摩川の土手には多くのブルーシートが立ち並び、その川岸には小さなカニが生息しています。「パリは燃えているか*4」を流すことで途端に映像の世紀っぽくなるね、と話して笑い転げていた17歳の秋。
東扇島東公園(神奈川県川崎市)
エモ!!!!! 京浜工業地帯の真っ只中に位置する東扇島の工場夜景ビューはえもいわれぬ光景ですが、夜光*5からちどり公園*6に向かうまでの国道132号もこれまた形容し難いエモさです。是非是非日の入り前に訪れてみてください。
コロナの情勢をなんとか掻い潜りながらも、二年連続して春にプリントやきいもの会を開けています。どうか今後も毎年行っていきたいなと思案している次第です。
東京タワー(東京都港区)
11月、天皇陛下の御即位を記念した特別ライトアップです。色彩が乱舞する東京タワーはエポックの到来を予期させ、令和はきっとよい時代になると直感したのですが*7、結果としては新型コロナ一色の社会情勢になってしまいました。
所感
感情には副作用があるので、誰かが楽しめば世界では悲しんだり苦しんだりする人もいるわけです。サステナビリティだとか難しいことは分かりませんが、人類全体でただエモの感情を追求していけば、やさしいせかいに一歩近づく気がします。
*1:読者の多くは写真の中にステンドグラスを見出そうと目を細めているはずだが、残念ながら眼下に広がるのは液晶を構成するガラスのみである。
*3:左手に見えるのがBTS(運営会社 Bangkok Mass Transit System Public Company Limited. の略称)と呼ばれる都市高速鉄道になります。
*4:https://www.youtube.com/watch?v=HLEKnAGQalI
*5:川崎区夜光2丁目。セカオワのFukaseは夜光を徘徊していたらしい。Welcome to the “STARLIGHT PARADE”
*6:川崎港海底トンネルという長く気味の悪いトンネルを通ることで、実は東扇島には徒歩で向かうことができます。海底トンネルはちどり公園と東扇島西公園に出入口が位置しています。
*7:菅野よう子作曲の奉祝曲も名曲だと思いますので、こちらも是非。https://youtu.be/nToMIR0Rn80