入試体験記

国際科学オリンピック特別入試

学類の生活情報誌(新入生むけ)に載せたやつ

概要

 例年つくば市で開催される日本情報オリンピック(JOI)で「本選Aランク(上位20名)」の成績を収めるか、あるいは情報処理推進機構IPA)の実施する「未踏IT人材発掘・育成事業」に採択されることで応募要件を満たす特別入試です。

 筆記試験や共通テスト等は課されず、エントリーシートと15分間の面接のみで合否が判定されます。(余談ですが、mastではかの有名な落合先生を始め、数多の学生が未踏事業に採択されています。みなさんも是非挑戦してみよう!)

入試形態

 エントリーシートでは志望動機や大学で学びたいことを、A41枚の所定の様式に詰め込みます。予想以上に分量が少ないですが、記述内容に基づいて面接が展開されるため、思いの丈を解りやすくコンパクトに纏める必要があります。

 そして迎えた試験当日。「AC入試試験場」との看板が掲げられた3B棟に赴き、面接に挑みます。試験官3人体制で行われるため、入室の瞬間こそ緊張が走りますが、いざ始まると終始和やかな雰囲気で面接は進行していきました。「本日はどこから来たのですか?」といったアイスブレイクの質問に端を発し、本入試を受けようと考えた動機や、大学で学びたい学問領域などに関して問答を行います。

 AC入試にみられる志望理由や自己推薦書を要約する時間は設けられず、いきなり質問に突入します。時として面接官の先生から、想定外の質問や鋭いメスが入ることもあるかと思いますが、高校時代に取り組んできた内容を率直に答えれば大丈夫です。

国際科学オリンピック特別入試のいいところ

 第一のメリットは、その特色ある入試形態にあります。これまでの実績が直接評価されて国立大学の入試に挑めるわけですから、競技プログラミングやソフトウェア開発に取り組んできた人間にとって、これ以上に嬉しいことはありません。

 加えて、入試時期が早いことも特徴です。筑波大学の総合型選抜は10月中旬に試験が行われ、11月上旬には合否発表を迎えます。つまり、合格から入学までに自由に使える時間が5ヶ月間も与えられるのです! 残された高校生としての期間を楽しみつつ、さらには大学に向けた勉強を重ねたり、自分の興味領域を深めたり――この期間はきっと、各々にとって有意義かつ貴重な時間となるはずです。

むすびにかえて

 名称だけ聞くと、なんだか凄そう、自分には手が届かなさそう……と難しそう印象を感じがちな国際科学オリンピック特別入試。しかしながら、そうした心配は無用です。むしろ、高校在学中から情報学に興味のある方々なら、十分に挑戦するチャンスと価値のある入試であると考えます。

 筑波大学の情報メディア創成学類で、熱意や技術に溢れたみなさんをお待ちしています。